パイロット カスタム74 ミュージック♪ オーバーホール (PILOT Custom74 Music)
どうも文房具の虫こと文虫です。
友人からの紹介である方の万年筆を復活させて欲しいとの
依頼があったので引き受ける事にしました。
このゴールデンウィークは愛蔵の和式ナイフを砥ぎなおすつもりでしたが
友人の紹介とあっては復活作業を優先せざるを得ません(笑)
で、お客様はパイロットカスタム74 MUSICです。
主に楽典の勉強等に使用されるそうです。
で状態はというと・・・。
うーん結構ボロボロ。
1、インクが中々でない
2、書き味がガリガリと爪で黒板状態
3、軸も傷だらけ
4、スリットが片肺
5、書くとペン先からペコペコと異音
軸の傷は直接金属の譜面台などにクリップを
ひっかけるている為だそうです。
ガシガシ使用されて、さぞ万年筆も喜んでいる事でしょう
タブン・・・(笑)
全体的に傷みはあっても大きなクラック等は見受けられないのでひとまず安心。
ペコペコ異音は、ペンポイントがガチャガチャにずれており、書く度にズレた
イリジウム部が自らのテンションで戻ろうとして「ペコッ」と引っかかりながら
戻る為に発生する音でした。
そこで今回、せこせこと文虫で行った作業&工程は以下
①分解、洗浄
②キズミ(深さなど)
③胴軸、キャップ、クリップ傷取り
④胴軸、キャップ、クリップ磨き
⑤必要に応じてクリップ等の再メッキ
⑥ペン芯のクリーニング、その他調整
⑦ペンポイント&スリット調整
⑧ニブの傷取り
⑨ニブのヘラ掛け
⑩ニブの鏡面仕上げ(必要に応じて再メッキ)
⑪最終チェック
ミュージックは持ち方も独特なので編摩耗していましたが砥ぎなおして
まだまだ使える様になりました。
試し書きはパイロット純正のインクもストックがあったのですが、所有者本人の
希望でエーデルシュタイン(オニキス)インクで行いました(メーカー的にはNG)
※文虫は顔料だろうが水性だろうが土星だろうが火星だろうが自己所有の万年筆の
面倒は基本自分で見ていますので好きなのいれちゃってます・・・はい。
(モンブラン149だけはインクも抜いてタンスの肥やしになってます)
所有者様に返却して試して頂いた所、オーバーリアクション気味に
喜ばれてこちらとしても嬉しい限りです。
謎の充実感♪やっててよかったペンいじり(笑)
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友人からの紹介である方の万年筆を復活させて欲しいとの
依頼があったので引き受ける事にしました。
このゴールデンウィークは愛蔵の和式ナイフを砥ぎなおすつもりでしたが
友人の紹介とあっては復活作業を優先せざるを得ません(笑)
で、お客様はパイロットカスタム74 MUSICです。
主に楽典の勉強等に使用されるそうです。
で状態はというと・・・。
うーん結構ボロボロ。
1、インクが中々でない
2、書き味がガリガリと爪で黒板状態
3、軸も傷だらけ
4、スリットが片肺
5、書くとペン先からペコペコと異音
軸の傷は直接金属の譜面台などにクリップを
ひっかけるている為だそうです。
ガシガシ使用されて、さぞ万年筆も喜んでいる事でしょう
タブン・・・(笑)
やはりクリップ付近に傷が集中しています。 |
遠目で見ればわりと結構綺麗に・・・ 見えませんでした(笑) |
キャップ部のリングはメッキは一部はげおち、腐食による曇りがあります。 |
胴軸ですがアップだと傷が目立ちます。ホコリじゃないです |
写真だとあまり目立ちませんが磨き傷が結構多いです。ペンポイントは正面から見ると
ガチャガチャで酷い状態でした(写真撮り忘れた・・・)
|
ペン芯は乾燥したインクの堆積物でカッチカチに固着しています。インクも辛うじて
でているような状態。ペンポイント中央部が手前に異常に飛び出しているのが
写真からも見えます。
|
全体的に傷みはあっても大きなクラック等は見受けられないのでひとまず安心。
ペコペコ異音は、ペンポイントがガチャガチャにずれており、書く度にズレた
イリジウム部が自らのテンションで戻ろうとして「ペコッ」と引っかかりながら
戻る為に発生する音でした。
そこで今回、せこせこと文虫で行った作業&工程は以下
①分解、洗浄
②キズミ(深さなど)
③胴軸、キャップ、クリップ傷取り
④胴軸、キャップ、クリップ磨き
⑤必要に応じてクリップ等の再メッキ
⑥ペン芯のクリーニング、その他調整
⑦ペンポイント&スリット調整
⑧ニブの傷取り
⑨ニブのヘラ掛け
⑩ニブの鏡面仕上げ(必要に応じて再メッキ)
⑪最終チェック
調整中 |
調整途中 |
ミュージックならではのペンポイント(調整後) |
ミュージックは持ち方も独特なので編摩耗していましたが砥ぎなおして
まだまだ使える様になりました。
ヘラ掛け工程(途中) |
万年筆の顔であるニブの仕上げには最も気を使っています。
金ペンの場合はヘラ掛けをすることで「テリ」をだす事ができます。
表面密度を上げる事でただ鏡面研磨するだけでは、だせない艶感が生まれるのです!
通常は柔らかいプラチナの鏡面仕上げによくやる技法です。
(万年筆のニブに施している方はそうそういないのでは?なにより超面倒ですし・・・)
幸い文虫は彫金に多少の覚えがあったので、
練習台として自分で安い金ペンを集めて繰り返し
施していく内にニブにヘラ掛けをするノウハウができました。
ニブに施す上で怖い失敗としては
①ニブのRが変わってペン芯と合わなくなる(インクフローに影響)
②刻印等の細かいディティールを甘くしてしまう。
③曲面部で滑ってヘラ棒で直接ニブに傷をつけてしまう(致命傷)
④ニブの縁をなめる
⑤ニブのしなりに影響
⑤ニブのしなりに影響
上記のようなリスクがありますがヘラ掛けで得られるメリットは
十分あります。
ヘラ掛けを施しておくと、ロジウムメッキ等を施す際に
仕上がりに違いがでます。
特にメッキの密着強度が向上するので剥げにくくなります。
かなり良いです(笑)
本当はこれらの処理を最初からメーカーとかで施してほしい所ですが
ヘラ掛けなんて手のかかる手作業工程いれてしまったら桁が1桁変わりそう(笑)
ヘラ掛けなんて手のかかる手作業工程いれてしまったら桁が1桁変わりそう(笑)
それにニブにヘラ掛けする人がいるのか謎ですし・・・。
そして⑤については影響はないと思っています。
神の手を持つ人なら変化を感じ取るかもしれませんが0.数ミクロンの
組成の変化をニブしなりで検出できるとはちょっと私には思えません。
そして⑤については影響はないと思っています。
神の手を持つ人なら変化を感じ取るかもしれませんが0.数ミクロンの
組成の変化をニブしなりで検出できるとはちょっと私には思えません。
そんなこんなで全ての作業が完了しました!
人の物という事もあり、慎重(のんびり?)に作業してまるっと2日かかりました。
人の物という事もあり、慎重(のんびり?)に作業してまるっと2日かかりました。
後は組み上げるだけ |
組み上げ完了!ぴかぴか! |
ペン芯 |
試し書き(字が汚いのは文虫の仕様です) |
試し書きはパイロット純正のインクもストックがあったのですが、所有者本人の
希望でエーデルシュタイン(オニキス)インクで行いました(メーカー的にはNG)
※文虫は顔料だろうが水性だろうが土星だろうが火星だろうが自己所有の万年筆の
面倒は基本自分で見ていますので好きなのいれちゃってます・・・はい。
(モンブラン149だけはインクも抜いてタンスの肥やしになってます)
所有者様に返却して試して頂いた所、オーバーリアクション気味に
喜ばれてこちらとしても嬉しい限りです。
謎の充実感♪やっててよかったペンいじり(笑)
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