ポルシェデザイン P`3105 ピュアブラック (Porsche Design P'3105 PureBlack)
おひさぶりです。
文虫です。
2016年になって初の記事...
仕事の波も今月は少し落ち着いてきたので、超久々に記事の投稿をしてみたいと思います。
今回取り上げるペンは幼馴染の友人からお借りしているポルシェデザインのP'3105 ピュアブラック。
ポルシェデザインの特別モデルの万年筆。
ポルシェ911カレラ ブラックエディションを記念し、同モデルをモチーフとしてデザイン。
ボディはステンレスの金属軸にPVDコーティングを施しており、とにかく真っ黒な佇まい。
万年筆で黒軸というのは定番カラーであり、取り立てて珍しくはないものの、ここまで黒一色というのは滅多に見かけません。
マット仕上げにPVDコートが施された外観はクリップのビレット感と相まって、一見して金属軸と判るオーラを放っていますね。
カタログなどにはとくに説明はありませんでしたが、触り心地がサラサラしており
サンドブラスト処理をしてからPVDコートを施したように見えます。
こういう細かい仕上げに手間をかける所がPDっぽいです。
樹脂軸にラバーコートでも似たような表現は可能だったのでしょうが、ポルシェデザインの
アイデンティティがそうはさせなかったのでしょう。(ラバーコートは加水分解しますしね・・・)
うっすらとレーザー刻印されたロゴもかっこいいですね。
頭冠部にはPDのロゴが刻印されいてます。
一見するとクリップは固定クリップに見えますが、しっかりとスプリング式。
固定クリップに見えるほどクリアランスがきっちりとしており、ガタもなく、精度の高さ
が伝わってきます。
またキャップの密閉度が高い様で半年放置しても書き出すことが可能でした。
(どんだけ放置してたんだよ!)
真っ黒ボディも特徴的なのですが、ニブも珍しい形状。
ニブは18Kロジウム仕上げのF
エラが無く、Rもキツめで真上から見ると巻きニブのようにも見えます。
モンブランのスターウォーカーにも似てるかも。
書き心地ですが
エラがなくキツめのRという見た目通り、粘りのある剛性感を感じさせるものです。
しかし、コシは強いもののスチールニブとは違う種類の硬さです。
金ニブの場合、硬い粘土のような独特の硬さになるように文虫は感じます。
推測ですが、このP`3105は金属軸で重い為、ペン先の剛性感とのバランスを
取っているのかもしれません。重量級の軸にやわらかいペン先だと筆跡が
太かったり細かったりと安定しませんが、これなら筆跡も安定しそうです。
まぁ・・・私はどちらにせよ字が下手なのでそれ以前の問題ですが(笑)
コンバーターは尻軸と一体になっているタイプ。
インクを吸入するためには尻軸からコンバーターを取り外す必要があるので気持ち面倒です。
ただ私はこのタイプはペン芯へのインク送りやクリーニングがやりづらいので正直ちょっと苦手です。
しかし、メリットとして首軸部分に接合部がこないので筆記時の剛性が高く、ペン先の感触
がダイレクトです。また筆記中に首軸が緩む事もありません。
具体的な製品名を出すのは差し控えますが、たまに接合部のネジ切りがおかしいのか
筆記中に接合部付近がしなる万年筆があります。実際はごく僅かな量のしなりだと思いますが
発生すると非常に気持ち悪い感覚になります。もちろんこのP`3105では構造上首軸付近が
しなる事はないでしょう。ダイレクトな筆記感を味わう事ができます。
幼馴染からかなり長い事お借りさせて頂いたお礼として
P`3105用のペンシースを蝋引き糸とヌメ皮で作ってみました。
もちろん手縫いのオールハンドメイド(笑)
↑頭冠がぴったりツライチになっています
コバもコート剤は使わずココボロの木片で磨いて仕上げました。
型押しを行い形状を保っているので結構しっかりしています。
取り出すときは時代劇の侍のごとく日本刀の鯉口を切るやり方で取り出せます。
クリップ部分の寸法もぴったり
本当は丸型にしようと思っていたのですが転がってクリップを傷つけてしまいそうなのと、精度的に
不安だったので扁平型にしました。これなら多少の伸縮も吸収できます。
できてみると扁平型のほうが手の収まりが良く、かつ鯉口が切りやすい事が判明。
保管しやすく、すぐに取り出しやすいケースができました。経年変化で良い飴色にエイジングさせて欲しいですね。
うーん、ブライドルレザーやミネルバボックスレザーにシニュー糸とかで作っても良さそう。
感想
今回のP`3105は自分の物ではありませんが、優れモノです。重量があるので
大量に筆記をされる方にはオススメできませんが万年筆好きな方や道具好きな方で
したら満足できる物だと思います。もちろん所有欲も満たしてくれるでしょう。
書き味もペリカン譲りなので心配は無用です。
ポルシェデザインのペンは筆記具業界において現時点ではいまひとつマイナーですが、
メジャーブランドと比べても品質面では勝るとも劣りません。
今回のP`3105はネットなどでは実売3万円台で入手する事もできますが、倍以上の
金額のメジャーブランド品と比較しても見劣りしません。
むしろ得意分野の金属軸製品においてはトップレベルのように思えます。
(手工芸品的なものは除いて)
もしLAMYなどのバウハウス的なモダンデザインが好きな方は
ポルシェデザインの万年筆もぜひ一度手に取ってみて欲しいと思います。
しかしペン先の当たり外れはP`3105でもありましたので、もし買うのでしたら店頭購入が無難かもしれません。
あと、おまけで付属するアルミ削り出しのペーパーウエイトが意外と使いやすいです。
デザインも落ち着いているので万年筆とセットでオフィスで使用しても格好良い。
派手さはないものの重厚でシックでモダンなP‘3105は他メーカにはないものを持っている
一品でした。
文房具ランキング
文虫です。
2016年になって初の記事...
仕事の波も今月は少し落ち着いてきたので、超久々に記事の投稿をしてみたいと思います。
今回取り上げるペンは幼馴染の友人からお借りしているポルシェデザインのP'3105 ピュアブラック。
Porsche Design P'3105 PureBlack |
ポルシェデザインの特別モデルの万年筆。
ポルシェ911カレラ ブラックエディションを記念し、同モデルをモチーフとしてデザイン。
ボディはステンレスの金属軸にPVDコーティングを施しており、とにかく真っ黒な佇まい。
ニブ以外は全て黒 真っ黒過ぎて写真が撮りにくいです(笑) |
削り出しボディ+PVDコート |
マット仕上げにPVDコートが施された外観はクリップのビレット感と相まって、一見して金属軸と判るオーラを放っていますね。
よく見ないとい気が付かない、ポルシェデザインのロゴ |
カタログなどにはとくに説明はありませんでしたが、触り心地がサラサラしており
サンドブラスト処理をしてからPVDコートを施したように見えます。
こういう細かい仕上げに手間をかける所がPDっぽいです。
樹脂軸にラバーコートでも似たような表現は可能だったのでしょうが、ポルシェデザインの
アイデンティティがそうはさせなかったのでしょう。(ラバーコートは加水分解しますしね・・・)
うっすらとレーザー刻印されたロゴもかっこいいですね。
ポルシェデザインといえばこのマーク(でも旧ロゴのほうが好き) |
頭冠部にはPDのロゴが刻印されいてます。
一見するとクリップは固定クリップに見えますが、しっかりとスプリング式。
固定クリップに見えるほどクリアランスがきっちりとしており、ガタもなく、精度の高さ
が伝わってきます。
またキャップの密閉度が高い様で半年放置しても書き出すことが可能でした。
(どんだけ放置してたんだよ!)
真っ黒ボディも特徴的なのですが、ニブも珍しい形状。
18K ロジウムコートニブ |
サイドのRがキツめ |
ニブは18Kロジウム仕上げのF
エラが無く、Rもキツめで真上から見ると巻きニブのようにも見えます。
モンブランのスターウォーカーにも似てるかも。
書き心地ですが
エラがなくキツめのRという見た目通り、粘りのある剛性感を感じさせるものです。
しかし、コシは強いもののスチールニブとは違う種類の硬さです。
金ニブの場合、硬い粘土のような独特の硬さになるように文虫は感じます。
推測ですが、このP`3105は金属軸で重い為、ペン先の剛性感とのバランスを
取っているのかもしれません。重量級の軸にやわらかいペン先だと筆跡が
太かったり細かったりと安定しませんが、これなら筆跡も安定しそうです。
まぁ・・・私はどちらにせよ字が下手なのでそれ以前の問題ですが(笑)
尻軸を回すとコンバーターがでてくる機構 |
このタイプってクリーニングがやり難い・・・ |
インクを吸入するためには尻軸からコンバーターを取り外す必要があるので気持ち面倒です。
ただ私はこのタイプはペン芯へのインク送りやクリーニングがやりづらいので正直ちょっと苦手です。
しかし、メリットとして首軸部分に接合部がこないので筆記時の剛性が高く、ペン先の感触
がダイレクトです。また筆記中に首軸が緩む事もありません。
具体的な製品名を出すのは差し控えますが、たまに接合部のネジ切りがおかしいのか
筆記中に接合部付近がしなる万年筆があります。実際はごく僅かな量のしなりだと思いますが
発生すると非常に気持ち悪い感覚になります。もちろんこのP`3105では構造上首軸付近が
しなる事はないでしょう。ダイレクトな筆記感を味わう事ができます。
幼馴染からかなり長い事お借りさせて頂いたお礼として
P`3105用のペンシースを蝋引き糸とヌメ皮で作ってみました。
もちろん手縫いのオールハンドメイド(笑)
専用ペンシースを作ってみました |
↑頭冠がぴったりツライチになっています
コバもコート剤は使わずココボロの木片で磨いて仕上げました。
クリップを・・・ |
親指で押すとスッと取り出せます! |
型押しを行い形状を保っているので結構しっかりしています。
取り出すときは時代劇の侍のごとく日本刀の鯉口を切るやり方で取り出せます。
クリップ部分の寸法もぴったり
意外と傑作かも? |
本当は丸型にしようと思っていたのですが転がってクリップを傷つけてしまいそうなのと、精度的に
不安だったので扁平型にしました。これなら多少の伸縮も吸収できます。
できてみると扁平型のほうが手の収まりが良く、かつ鯉口が切りやすい事が判明。
保管しやすく、すぐに取り出しやすいケースができました。経年変化で良い飴色にエイジングさせて欲しいですね。
うーん、ブライドルレザーやミネルバボックスレザーにシニュー糸とかで作っても良さそう。
地味で高品質という所にドイツの工業製品っぽさを感じちゃいます |
ポルシェデザインの万年筆は高品質で失敗がない印象です |
今回のP`3105は自分の物ではありませんが、優れモノです。重量があるので
大量に筆記をされる方にはオススメできませんが万年筆好きな方や道具好きな方で
したら満足できる物だと思います。もちろん所有欲も満たしてくれるでしょう。
書き味もペリカン譲りなので心配は無用です。
ポルシェデザインのペンは筆記具業界において現時点ではいまひとつマイナーですが、
メジャーブランドと比べても品質面では勝るとも劣りません。
今回のP`3105はネットなどでは実売3万円台で入手する事もできますが、倍以上の
金額のメジャーブランド品と比較しても見劣りしません。
むしろ得意分野の金属軸製品においてはトップレベルのように思えます。
(手工芸品的なものは除いて)
もしLAMYなどのバウハウス的なモダンデザインが好きな方は
ポルシェデザインの万年筆もぜひ一度手に取ってみて欲しいと思います。
しかしペン先の当たり外れはP`3105でもありましたので、もし買うのでしたら店頭購入が無難かもしれません。
あと、おまけで付属するアルミ削り出しのペーパーウエイトが意外と使いやすいです。
デザインも落ち着いているので万年筆とセットでオフィスで使用しても格好良い。
派手さはないものの重厚でシックでモダンなP‘3105は他メーカにはないものを持っている
一品でした。
文房具ランキング
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