レストア編 プラチナ万年筆 リビエール 万年筆 (PLATINUM FountainPen Riviere F)
こんにちは
4月にも関わらず雪が降ったりと寒暖の差が激しく着る服に困る今日この頃な文虫です。
前回に続き今回もY氏からお預かりしているY氏愛蔵の万年筆の記事を書きたいと思います。
ペンはプラチナのビンテージ万年筆、「リビエール」です。
今回このリビエールをレストアとレビューをしたいと思います。
去年Y氏とお会いした際にレストア用にと、リビエールという万年筆ををお貸りしました。
この万年筆は1970年代後半あたりに発売されたと思われる、古い万年筆。
お借りしたリビエールは相応の年季が入っており、傷や腐食で古ぼけた状態です
レストア前ににクリーニングをして写真撮影をしておきました。
まず目につくのが上記写真のクリップ
腐食でメッキが剥げ落ち、錆びが発生しています。
写真では反射して判りにくいですが、メッキも部分的に黒ずんでいました。
ニブもご覧のように相当痛んでいます。
肉眼ではわかりずらいですが、ペンポイント付近のスリット部に打痕のような凹みがあります。
ハート穴に打ち抜き不良か穴の右側には経年は関係ありませんが、バリがでているのが見て取れます。
サテン仕上げのボディはステンレスのおかげでニブやクリップ程
傷みは目立たないながらも、ここもやはり年季を感じさせます。
経年劣化によるものかペン芯の樹脂には皺が発生しています。
あまり細かい写真を残していませんが首軸や頭冠部など全体的に傷みがありました。
結果的には想像していたよりもレストアに時間がかかってしまいました・・・
レストアについて細々書いても面白くないと思います
百聞は一見にしかず
ニブのレストア工程をメインにダイジェストで紹介したいと思います。
研磨剤を使用して傷取り、バリ取り をします。
ポイントは目立つ傷だけ研磨せずに全体を均一に研磨する事です。
リビエールのニブは18Kホワイトゴールドですので地金も銀色。
ホワイトゴールドなのでロジウムメッキはしなくても十分美しいのですが
保護の為にもロジウムをのせてプラチナ仕上にしました。
ニブが美しく生まれ変わりました。
Before Afterで比較すると頑張った甲斐があると思えます。
胴軸やキャップなどのステンレス部は研磨して傷を取り
鏡面になるまで磨き上げてから、最後にサテン仕上にしました。
首軸や頭冠などの樹脂パーツ部は傷取りだけ行いました。
ボディは当初鏡面仕上だけでも良いかな?と考えました。
しかし実際に鏡面にしただけだと安っぽくなっただけでしたので
鏡面にしたのちサテン(ヘアライン)加工をして仕上げました。
全ての部品を組み上げて最後に拭き上げをしたら
リビエールのレストア作業は完了
今回レストアで行った作業(作業順)
2.下地研磨
3.仕上げ研磨
4.手研磨
5.電解脱脂
6.クロームで再メッキ
7.電解脱脂
2.中目研磨
3.仕上研磨
4.バフ研磨(鏡面)
5.ヘアライン加工(金属部)
2.中砥
3.仕上研磨
4.バフ研磨
5.手研磨
6.電解脱脂
7.ロジウムメッキ
8.電解脱脂
9.手研磨
2.仕上研磨
3.潰れたインク溝の修正
4.ガイド部の修正
4月にも関わらず雪が降ったりと寒暖の差が激しく着る服に困る今日この頃な文虫です。
前回に続き今回もY氏からお預かりしているY氏愛蔵の万年筆の記事を書きたいと思います。
ペンはプラチナのビンテージ万年筆、「リビエール」です。
今回このリビエールをレストアとレビューをしたいと思います。
プラチナ万年筆 リビエール
PLATINUM Riviere (写真はレストア後) |
去年Y氏とお会いした際にレストア用にと、リビエールという万年筆ををお貸りしました。
この万年筆は1970年代後半あたりに発売されたと思われる、古い万年筆。
お借りしたリビエールは相応の年季が入っており、傷や腐食で古ぼけた状態です
レストア前ににクリーニングをして写真撮影をしておきました。
腐食 |
まず目につくのが上記写真のクリップ
腐食でメッキが剥げ落ち、錆びが発生しています。
写真では反射して判りにくいですが、メッキも部分的に黒ずんでいました。
年季が入って傷だらけのニブ |
ニブもご覧のように相当痛んでいます。
肉眼ではわかりずらいですが、ペンポイント付近のスリット部に打痕のような凹みがあります。
ハート穴に打ち抜き不良か穴の右側には経年は関係ありませんが、バリがでているのが見て取れます。
同じく傷だらけ |
サテン仕上げのボディはステンレスのおかげでニブやクリップ程
傷みは目立たないながらも、ここもやはり年季を感じさせます。
ペン芯 |
経年劣化によるものかペン芯の樹脂には皺が発生しています。
首軸 |
あまり細かい写真を残していませんが首軸や頭冠部など全体的に傷みがありました。
結果的には想像していたよりもレストアに時間がかかってしまいました・・・
クリーニングの為分解 |
レストアについて細々書いても面白くないと思います
百聞は一見にしかず
ニブのレストア工程をメインにダイジェストで紹介したいと思います。
・ニブのレストア
万年筆の顔であるニブはやはり一番大切にするべきポイントです。①作業前 |
②荒砥から中砥 |
研磨剤を使用して傷取り、バリ取り をします。
ポイントは目立つ傷だけ研磨せずに全体を均一に研磨する事です。
リビエールのニブは18Kホワイトゴールドですので地金も銀色。
③仕上砥 |
③磨き |
④ロジウムメッキ後にインクフローテスト |
ホワイトゴールドなのでロジウムメッキはしなくても十分美しいのですが
保護の為にもロジウムをのせてプラチナ仕上にしました。
⑤試し書きして完了 |
After |
Before |
ニブが美しく生まれ変わりました。
Before Afterで比較すると頑張った甲斐があると思えます。
・ボディのレストア
胴軸 傷取り作業中 |
胴軸やキャップなどのステンレス部は研磨して傷を取り
鏡面になるまで磨き上げてから、最後にサテン仕上にしました。
首軸 傷取り作業中 |
首軸や頭冠などの樹脂パーツ部は傷取りだけ行いました。
首軸付近 磨き作業中 |
ボディは当初鏡面仕上だけでも良いかな?と考えました。
しかし実際に鏡面にしただけだと安っぽくなっただけでしたので
鏡面にしたのちサテン(ヘアライン)加工をして仕上げました。
クリップの研磨中 |
全ての部品を組み上げて最後に拭き上げをしたら
リビエールのレストア作業は完了
リビエール復活!
時代を超えて |
今回レストアで行った作業(作業順)
・クリップ
1.メッキ剥ぎ2.下地研磨
3.仕上げ研磨
4.手研磨
5.電解脱脂
6.クロームで再メッキ
7.電解脱脂
・ボディ全体(金属部、樹脂部含む)
1.粗目研磨2.中目研磨
3.仕上研磨
4.バフ研磨(鏡面)
5.ヘアライン加工(金属部)
・ペン先(ニブ)
1.荒砥2.中砥
3.仕上研磨
4.バフ研磨
5.手研磨
6.電解脱脂
7.ロジウムメッキ
8.電解脱脂
9.手研磨
・ペン先(ペン芯)
1.中目研磨2.仕上研磨
3.潰れたインク溝の修正
4.ガイド部の修正
・リビエールを使ってみて
リビエール寸法
長さ:約129mm(収納時) 約159mm(筆記時) 約115mm(鞘払い)
最大胴軸径:約11mm キャップ径:約11.5mmφ(クリップを除く)
重さ:約25g
ペン先:F 18Kホワイトゴールド
ビンテージ万年筆であるこのリビエールはメタルボディながら25gと軽く11mmと細くて
携帯性が抜群だと思えました。
スマートな寸法 |
・当たりの優しい書き味
私より長生きしているこのリビエールは、18Kのホワイトゴールド
と万年筆としては少々珍しい素材を使っています。
ペン芯もレストアしたのでキレイに整っています。
やはりキレイだと使っていて気分が良いものですね。
自身の経験則として・・・
細かいメカニズムを正確には把握していませんが基本的に
金属も樹脂も表面が平滑であればあるほど腐食や汚れに強くなります。
※実用上も水洗いした際に簡単にインクが落ちるなど良い事づくめなので
オススメですがインクフローに影響がでる部位などもあり、磨く上では
注意しなくてはいけない事もあります・・・
ステンレスボディのモダニズムと、どこかチープな昭和の
匂いが漂っていて、良い意味で不思議な気持ちになります。
プラチナの現行品にはない金玉クリップ(銀玉ですが)も良い雰囲気を醸しています。
リビエール系でもこのタイプは珍しいのではないでしょうか?
金玉クリップといえばパイロットですが、プラチナ万年筆で金玉クリップ・・・
そこにビンテージらしい希少性を感じます。
レストアした事で復活したビンテージリビエール
珍しいだけじゃなく、またその書き味が独特で素晴らしい。
レストアで手をいれているとはいえ、当たりの柔らかさは
もとより、このリビエールの持ち味だと思われます。
個人的にビンテージ万年筆は当たりが柔らかい物に
出会いやすい気がします。
一皮むけて滑らかなペン芯 |
ペン芯もレストアしたのでキレイに整っています。
やはりキレイだと使っていて気分が良いものですね。
自身の経験則として・・・
細かいメカニズムを正確には把握していませんが基本的に
金属も樹脂も表面が平滑であればあるほど腐食や汚れに強くなります。
※実用上も水洗いした際に簡単にインクが落ちるなど良い事づくめなので
オススメですがインクフローに影響がでる部位などもあり、磨く上では
注意しなくてはいけない事もあります・・・
・昭和の香りと新しさ
1970年後半に製造されたと思われるこのリビエールからはステンレスボディのモダニズムと、どこかチープな昭和の
匂いが漂っていて、良い意味で不思議な気持ちになります。
プラチナの現行品にはない金玉クリップ(銀玉ですが)も良い雰囲気を醸しています。
リビエール系でもこのタイプは珍しいのではないでしょうか?
金玉クリップといえばパイロットですが、プラチナ万年筆で金玉クリップ・・・
そこにビンテージらしい希少性を感じます。
金魚コンバーターで更に昭和っぽく |
・最後に
万年筆全体では珍しい18KWGのニブに更に珍しい金玉クリップと
入手困難な所がコレクター魂に火をつけてくれます。
書き味も硬い柔らかいだけでは表現できない、どこか
くたびれて馴染んだ「優しさ」のようなものを感じさせてくれる
本当に素晴らしい一本
手をかけてレストアした事もあり、文虫としても
とても思い入れのできた一本です。
オーナーのY氏は喜んでくれるだろうか?
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