プラチナ万年筆 センチュリー ニース 万年筆 (PLATINUM #3776 CENTURY NICE PNB-2000R F)


夏といえば、

まぶしい太陽
輝く海

そんなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?


あまりの暑さに「たれぱんだ」状態になっている文虫です。
そんな暑い夏のイメージに合う万年筆の記事を書きたいと思います。

CENTURY NICE

今回のペンはプラチナ万年筆の#3776センチュリーシリーズが
ベースとなっており、先月に2,000本限定で発売された「ニース」です。

センチュリーそのものは2011年9月1日に発売されたそうで
今では売れっ子万年筆のようですね!


センチュリー ニースの特徴

・スリップシール機構
センチュリーシリーズ共通の機構。きっちり密閉することで
インクの乾燥を低減するというものです。


スリップシール機構


頻繁にペンを使用する人にはそれほど乾燥の
心配はないので恩恵は少ないかもしれません。

それでもきっちり気密性が保たれるというのは精神衛生上良いですよね。
しかも2年放置しても使えるとか・・・すごいですね。

そういえば・・・
セーラーのプロフェッショナルギアを分解した時にも
たしか同様の機構が備わっていた気が・・・(気のせい?)
こちらも2年放置しても大丈夫なのでしょうか?


・サンドブラスト処理による艶消し
艶消しをする為に施されている処理。
よく塗装の剥離とかにも使用されています。
メディアと呼ばれる研磨剤を高速で吹き付けて研磨する事で整った表面処理ができます。
工業系の方やバイク、車が趣味な方には馴染み深いヤツですね(笑)
(私もよく錆取りに使用していました)

ニースでは理想的な曇り具合を出す為にメーカーさんは苦労したご様子。

サンドブラスト処理による艶消し加工



・シェーパーカット
軸に施されたライン状の彫り込み。

この掘り込みとブラスト処理のお陰でなんともいえない
心地のいい感触です。
グリップ感も良く、まったく滑りません。
実用面での意外なメリットですね。

縦状の掘り込み


・シリアルナンバー
2000本限定のニース。
キャップにはシリアルナンバーが刻印されています。
文虫のは「1936/2K」・・・
1936年・・・2・26事件があった年だそうです(笑)
(風呂行く寒い=26 1936)

・・・だから何だ?といわれると困ります・・・

1936/2K


・ピンクゴールドのメタルパーツ
メタルパーツに施されたニース専用のメッキ。
やわらかな優しい印象です。
(銅の上から金メッキしてもピンクゴールドになりますよ!)





・シルバーコンバーター
市販されているプラチナ製のコンバーターは通常、金色ですが
ニースに付属しているコンバーターはクロームメッキがされています。
非売品のコンバーターってちょっと嬉しいですよね。

クロムメッキのコンバーター

・クリップ
通常の固定クリップですが、少々いただけない部分が・・・
形状的に生地やペンケースにホールドしようとすると硬くてはさみにくいのです。

薄いシャツとかであればそれほど気にならないのですが
革のペンホルダーとか厚生地に挟もうとすると、キツい。

しかし、プラチナでもプレジデントの場合は形状が異なっており
こちらはスムーズにホールドできるので、できればクリップの内側
をプレジデントのような水滴状に変えてほしいと感じます。


5、デザイン
フランスのニースの街並みをイメージしてデザインされており
とても良いデザインだと思います。



このデザインを要素毎にわけてみると
ニースからイメージさせる4つの要素で構成されいていると感じました。

①砂浜、②海、③街並み、④様式美
この4つ。

①砂浜
軸にはサンドブラストによる艶消し処理がさています。
ここは海岸の砂浜をイメージさせてくれます。

②海
軸には縦のライン状の切り込み(シェーパーカット)があります。
カットされている部分は透明で、美しい海の透明感をイメージさせます。
この艶消し部分と透明の部分のコントラストによって海岸をイメージさせますね。

③街並み
ニースのメタルパーツはピンクゴールドです。
コートダジュールの海岸沿いに並ぶ建物の多くが赤茶色の屋根です。
明るい日光に照らされた屋根は確かにあわいピンクゴールドにも見えます。
まぁ・・・直接見たは事ないですけど(笑)

④様式美
これまでの富士五胡シリーズとは違い、ちょっと凝ったデザインのニース。
軸に施されたシェーパーカットがゴシック建築物の支柱のようにも
見え、ここがデザイン上の「海外らしさ」として纏めてくれているように思えます。


6、書き味
センチュリーシリーズは他メーカーの同価格帯の万年筆と比較すると
大きいニブサイズです。そのためエラからペンポイントまでの距離も長くなります。

大きめのニブ(お得感あり!?) 

硬めの筆記感に定評のあるプラチナですが、センチュリーシリーズは
中でも独特の柔らかさがあります。
ここは大型ニブや平らな背中による素直なニブの「しなり特性」と
エラからペンポイントまでを長めにとる事で実現しているのでしょう。
金ペンの良さを引き出す形状に思えますね。


平らな背中


柔らかいってもあくまでプラチナ製としてはという事です。
質も「柔らかい」というより万年筆らしく「ねばる」といったほうが
いいかもしれません。

インクフローが良いので少し字は太くなる印象です。
このシャキシャキした硬めの書き味のなかにある「ねばり」がなんとも
良いですね。ここ半月ほど毎日使用して堪能しています。


7、まとめ
センチュリーの限定モデルという事もあってプレミアム感のある「ニース」
これまでの富士五胡モデルとは異なり、海外モチーフらしいデザインが
華やかで女性的ですが、男性でもいけそうです。
明るいポロシャツとかとの相性が良さそうです。

ずばりこの万年筆をオススメしたい人は

「初めての万年筆だけどスタンダードな黒はちょっと・・・
 できれば書き味も良くて、かつ夏らしい爽やかなのが良いなぁ」
なんて方ではないでしょうか。

もちろん万年筆好きな方にとっても良い選択だと思います。

是非リゾートな雰囲気の場所でお気に入りのノートとともに
字を紡いでみたくなる一本です。



硬さと弾力のバランスが絶妙


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