ファーバーカステル 伯爵コレクション ペルナンブコ(Graf Von Faber-Castell Classic Fountain Pen Pernambuco)

今回は大切にしているの伯爵コレクションの紹介

私が持って万年筆の中では最も高価な部類になると思います。

「ファーバーカステル 伯爵コレクション クラシック ペルナンブコ」

Graf Von Faber-Castell Classic



ちょっと本題の前にペルナンブコのお話・・・

学生の時 チェロの教室に通っていました。

その時練習で使用している私の弓は、「フェルナンブコ」という木材でできている事を知りました。
その後専門店で弓を見ていると、安価な弓は素材がブラジルウッド、ブラジルボクと
表記されている事に気が付きました。

それなりに値の張る弓は、素材の欄にフェルナンブコと書かれている事にも気が付きました。

その時、初めてフェルナンブコという素材を意識しました。

そして
「素材の違いが質の違い、延いては価格の違いになっているのか」

そう理解した記憶があります。



実際はどれも同じ木の事だったんですよね(笑)
楽器屋さんの店員さんから教えて頂きました。


ブラジルボク(ブラジルウッド)の別名がフェルナンブコ(ペルナンブコ)というらしい。
ただ、チェロ弓でのフェルナンブコとはブラジルボクの芯材の事を指して使っているそうです。


ちょっと勉強になりました。


では本題へ。

ファーバーカステルの伯爵コレクション クラシックライン ペルナンブコ

ブラウンのレザーマットとマッチ



ファーバーカステルのデザインは美しい。
華やかすぎず渋すぎず、どこかコンサバティブな印象を与えてくれます。

きっと歴史と伝統に裏打ちされた物に宿る魅力なのかもしれません。

実はこのペンを買う際に、店頭でモンブランの149と悩んでいたのですが
「149は鉄板だし、ラインナップからは消えないよね?」という考えから
ファーバーカステルを購入するに至りました。

購入から既に2年程度使用してます。
自身で気がついていないだけでしょうが、それほど経年変化した印象はありません




万年筆としては軸径は10.9mmと細め、一見、万年筆っぽくない印象です

この細さはスーツやジャケットの胸ポケットへの収まりが非常に良く、スマートなので
使わなくても挿したくなるシルエットなんですよね。


殆ど使わないのに(笑)

ペルナンブコ軸を拡大してみる

軸はタイヤの様にリブパターンが施してあります。
このリブがアクセントにもなっており、デザインとして全体を引き締めている気がします。


導管がキモい

一点、失敗した点もあります。
せっかく店頭で買ったのにペン先ばっか気にして、肝心の軸の表情を
しっかり確認してなかった点です。

何が問題かというと、軸の一部で導管の穴が目立っているのです。ペルナンブコは
明るい色合いの木材という事もあり、導管がプツプツと目だって見えるのです。

これも天然の木材ならでは・・・ですが、私はちょっとこのプツプツにゾワゾワしてしまうのです(笑)
わたしは「ぎゅっ」とした杢目が好きなので・・・

ペン先は美しい
18金のOB(オブリークブロード)ペン先。
ちょっとオブリークタイプと珍しいのを選びました。

写真からも判るかと思いますが、ペンポイントが斜めになっていて、手をひねって書く人向け
普通に使用される方でもオブリークは筆跡が面白くなるのでいいですよ。
ミュージュックよりも普通の感覚で筆記できます。

文虫の場合は字が下手なので更に下手になるだけですが(笑)


ペン芯
ニブのサイズについては明記されていませんが、5号サイズ程度で小ぶりです。
繊細なカステルの紋章がデザインされており、その存在感はかなりのもの。


この塗りわけは自分ではしたくない(笑)

書き味は素晴らしい
いや、本当に素晴らしいんです。

店頭で同じペルナンブコを何本も試筆した結果とも言えますが
本当に素晴らしいですよ。

バターの様にしっとりとした感触、しなやか弾力は良いチェロの弓の如く紙の上を走ってくれます。

それだけに杢目選びが悔やまれます。


キャップ

プラチナコーティングされ、ファーバーカステルの紋章が刻まれたキャップは高級な調度品のようにも見えます。

チェッカリングの装飾がクラシックの名に相応しい印象に仕上げていますね。

でもパーフェクトペンシルのように取れたりはしないのであしからず。


おしり

尻軸についてもプラチナコーティングされ、チェッカリングの装飾が施されています。
クラシックシリーズはシリーズを通してこのチェッカリングの装飾技法が一つのアイデンティティの様ですね。

分解
作りは一般的なコンバーターを使用する基本的な構造の万年筆です。
付属しているコンバーターはファーバーカステルのロゴが刻印されています。

バランスが悪いと評判です

さてこの万年筆はバランスの悪さで有名。
それはキャップを尻軸に固定した際、とんでもなくリアヘビーになるのです。
そして長い。

ただ文虫はキャップはつけない派なのでバランスが悪いとは全く思いません。
むしろ結構バランスがとりやすいのでは?と感じました。

もしかしてこれを開発、デザインした人は
キャップつけない派かつデッサン好きなのでは?
と思ってしまった。

良い万年筆とは

まとめ
実はノートを書く際に久々にクラシックペルナンブコ君を引っ張り出し、インクを入れたのですが
どうもOBペン先×オニキスインク×MDノートの組み合わせが悪かったらしく、キレイに
紙の上にインクが載ってくれず困りました。(RHODIAメモや他の紙にはスッと書き出せる)
万年筆とインクと紙の関係は奥が深くて本当に飽きないですね。

そんなプチトラブルを差し引いても、この万年筆は強い魅力に溢れています。
優美なライン、それでいてシックにまとめたデザイン、繊細は書き味・・・
気軽に買える一本ではありませんが買って良かったと思わせるだけの魅力を
届けてくれます。

静かな夜に暖かいコーヒーを飲みながら、この万年筆で字を書けば
やさしい気持ちにさせてくれます。

そして大事なポイントです!

木軸なので購入の際は店頭でしっかり杢目を吟味し、先に軸を選んだ上で試筆に挑みましょう!

伯爵コレクション イントゥイション(グラナディラ)の記事を書きました


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